僕がまだ子供の頃、クーラーなんてものは珍しくて、車はみんな窓を開けて走っていました。たまに窓を閉めて走っている車を見ると、スゲーなぁなんて思ったものです。この渋滞の東京でクーラー無しのクルマなんて今の時代じゃ考えられないですが、当時は無いのが当たり前でした。
楽な状態に慣れてくると、なかなか前の状態に戻れないもんです。
まだ高校生だった頃、VT250で100のメーターを振り切ることはほんとに怖かったです。
それが、GSX400で120を出し、カタナで140を出すのに慣れてくると最初の100はもう全然楽になってきました。
ところがブラックバードになると140オーバーで巡航。ちょっと開けたら180オーバーでした。
12Rになると160じゃ鼻歌まじりで、時には僕でさえ200オーバーの時もある。12Rクラブの中には220出した人も何人かいると思います。
そうなってくると最初の100なんて、ほとんど刺激の無い速さになってきました。もう最初のVTには乗ってもワクワクしないような気がします。
でもメーターの示す数値は上がっているけど、その上昇の大部分は技術革新による上昇分なんじゃないのかなってふと思う時があります。
乗っているのはどれも僕という人間です。多少のスキルアップはあると思うけど、自分の腕前ってだけの基準でみたら、きっとVTの100の怖さと12Rの220の怖さってのが同じくらいじゃないのかなって。
レースのように他人と絶対速さを比較するステージではまさにその時代の全力をかけて絶対速さを競うって面白さと厳しさがあるけれども、
自分が趣味で乗っている分には、周りと比較した速さ以外に、今乗っているバイクの限界を引き出せるのかどうか、ある限定された状態の中で前の自分を乗り越えることができるかどうかってのがバイクの面白さのひとつじゃないのかなって思います。(まぁ同じバイクが集まって走るようなところ(12Rクラブとか)だと他人との比較になっちゃう時もあるんですけどね(笑))
いろんなバイク、いろんな楽しみがあるけれど、速さって切り口でいうとそういう見方もあるじゃないかと思います。技術革新に依存しない、自分に対しての速さへの挑戦ってちょっとかっこいいかななんて思ったりして。。
あらら、最初のクーラーの話ってあまり関係なくなっちゃいましたね。(笑)
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